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輪状甲状筋と甲状披裂筋の分かりやすい動画があります!

こんにちは!VT Artist Development桜田ヒロキです!

歌を歌うのに超重要な筋肉、
甲状披裂筋(TA)と輪状甲状筋(CT)の運動を
とても見やすい動きで解説してくれる動画を見つけました。

詳しい解説をつけてお話をしていこうと思います。

甲状披裂筋と輪状甲状筋の役割を可視化

発声において重要な筋肉。

甲状披裂筋(TA)と輪状甲状筋(CT)

の動きを模型のように観られます。

Crycothyroid muscle(輪状甲状筋)
声帯に張りを作る
0:20 ~ 0:35

Thyro-arytenoid muscle (甲状披裂筋)
Vocal Muscle(声帯筋)
収縮筋として機能
0:35 ~ 0:45

Internal thyro-arytenoid(内側甲状披裂筋)
Vocal Muscle(声帯筋)
収縮筋として機能
0:47 ~ 0:54

どうですか?
ぼんやりとしていた喉頭の運動もとても
クリアに理解出来る動画ではないでしょうか?

Crycothyroid muscle(輪状甲状筋)の役割

・輪状軟骨を甲状軟骨側に寄せ、喉頭の内側にある声帯を引っ張る
・声帯を引っ張る事により、声帯に張りを作る
・声帯を引っ張る。緩めるアクションをして、音程を作る
・力が強くなると高音域発声で最優勢となる

音程を広く使う、歌唱においては超重要な筋肉とされています。
この筋肉が脆弱であると起こる弊害は・・・・

・音程が悪い
・高音が出ない

となります。

この点にいち早く着眼した
ボイストレーナーは弓場徹先生がとても有名ですね。

また、ボイスケアサロンの會田茂樹先生は

「高音発声が出来る人ほどこの筋腹はプリプリと発達している」

と言っていました。
と言ってもほとんどの人は触診でこの筋肉を検知するのは不可能なようですが・・・。

Thyro-arytenoid muscle (甲状披裂筋)の役割

・声帯を縮め、分厚くする
・輪状甲状筋の拮抗筋として声帯に張りを作る

声帯筋と合わせ縮む事により、自らを振動体にするため張りを作ります。
それにより、地声を作るのに重要な筋肉とされています。

これが脆弱である、もしくは上手に使えないと起こる弊害は・・・

・地声が出ない、もしくは息っぽい
・高音域に向けて徐々に緩める事が出来れば地声になるが、
 突然緩むと、「地声→裏声」といわゆるひっくり返り状態になる。

筋肉は代償(compensation)が出来る

ここで挙げた2つの筋肉の役割は
あくまで「上手に使えた場合」に限ります。

何を言っているのかと言うと、
体のメカニズム上、何かの筋肉が上手に動かない場合、
他の筋肉で補填しようとします。

例えば腕で何かを持ち上げようとした時に、
腕の力が足りない場合、背中や腰、足と言った
別の所から力を借りる事が出来ます。

腕などの場合、これはとても良い事かもしれませんが、
声においてはあまり上手くいかない事が多いようです。

声で起こる代償例とは・・・

・音程を作るために甲状披裂筋を使う
 →甲状披裂筋を硬直させて強い息を
  声帯に当てれば一応、音程は取れるそうです。

ただし、かなり低音の数音しかカバー出来ないそうです。(Ingo Tize氏談)

※桜田の予想では音痴と言われる方達の
多くはこれに属しているように思います。
(反応があれば他に記事にしようと思います。)

・声帯を閉じるために喉頭全体を持ち上げる
→喉頭を持ち上げるハイラリンクス状態を作ります。

これにより声帯は閉じられるため、
ハリウッド式ボイストレーニングでは一時的に使う事もあります。

・声帯を閉じるため胸鎖乳突筋に力を入れる
→胸鎖乳突筋は首を動かす筋肉で、比較的大きな筋肉です。

そのため力が強く声帯を閉じるのにも使えますが、かなり非効率的と言えます。

どうですか?
どれか思い当たる事はありませんでしたか?

「胸鎖乳突筋は首を動かす筋肉だから発声には関係ないよ!」

とおっしゃる方もいますが、ボイストレーナーの視点で見ると

「間違った筋肉を使ってしまうのは技術不足、
もしくは脳からの命令が誤った筋肉に言ってしまってる。
筋肉の使用用途をきちんと整理してあげる事がボイストレーナーの仕事」

このように考えられます。

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解説しているインストラクター

桜田ヒロキ
桜田ヒロキ
セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター

アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。

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