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ボイスユーザーのための加湿方法全ガイド

歌に限らず、声において水分摂取や加湿が重要な事はほとんど全てのボイスユーザーがご存じの事かと思います。
今日は喉の乾燥対策についてお話しします。

声帯には潤いがとても重要

声帯には潤いがとても重要になります。
水分が不足してくると声が掠れたり、怪我のリスクが高くなるからです。
車で例えると、オイルが切れている状態で鉄同士をゴリゴリ当てて、温度も上がっていくと故障のリスクが非常に高くなります。声帯もそれと同様です。
声帯では潤滑剤である粘液が足りないと故障のリスクが高くなります。

掠れるだけだったらいいですが、水分が足りない状態で大きな声や強い声を出したりすると声帯出血のリスクがかなり高まります。
声帯出血になってしまうと、最低2週間くらいは喋るのは厳禁で、そこから1、2ヶ月かけて治療していく流れになります。
またポリープもできやすくなるので、怪我防止のためにも、喉を乾燥させないことは非常に重要になります。
どんなにいい発声テクニックを持っていたとしても、喉は乾燥はやられやすいため注意してください。

加湿は内側からも外側からも行うべきです

喉にとって適切な空気中の湿度はだいたい50%〜60%くらいと言われていますが、加湿の考え方には種類があります。
External hydration という外側からの加湿と、Internal hydration という内側(体の中)の加湿というものです。

外側からの加湿は、加湿器を使って部屋の湿度を保つことです。
当スタジオも加湿には非常に気を遣っています。
冬場の場合、外が湿度20%くらいの時でもスタジオに加湿器2台置いたりしながら、なんとか40%は保つようにしていますが、これでも正直ベストな環境ではありません。
ですがやらないよりは遥に良い状態で歌えるので故障のリスクが高くならないように心がけています。
もし、レンタルスタジオを借りてレッスンやバンド練習をされていて、加湿できない環境であれば、水分をたくさん飲むなど気をつけることが大切です。
また、喉の加湿スプレーなども有効です。
ちなみに当スタジオではEntertainer Secretという加湿スプレー(主に水とグリセリンが主成分)と喉の乾燥緩和に良いとされているヒアルロン酸も販売しているので興味ある方はお問い合わせくださいね。

次に内側からの加湿ということを考えていくと、やはり水分をこまめに摂ることです。
特に女性の方にお伺いするとシンガーの方でも水分が足りていない方が多いので気をつけてください。
体に必要な水分量を割り出す方法があります。
【30〜40ml ×体重(kg)=基準値】
体重50kgの場合、1.5〜2リットル
体重70kgの場合、2.1〜2.8リットル
この基準値より遥に水分量が足りていない方は十分気を遣って水分を摂取するようにしてくださいね。

鼻うがいにも声帯の潤滑には重要

上咽頭炎の予防に鼻うがいも良いです。
上咽頭炎というのは炎症が強くなると発熱して風邪の状態になります。
風邪をひく時はだいたい上咽頭から始まるらしいので、ここをクリーンにしておくのは重要です。
上咽頭炎にかかっていると声帯の周りの粘液を体が出しにくくなるため、喉の潤滑がうまくいかなくなるそうです。
上咽頭がブクブクに腫れている状態なので、共鳴腔も音がうまく反射しづらくなります。
なので大きな声を出そうとしてもなかなか響きが出てこない時というのは、上咽頭が腫れていて良い反響版になっておらず、声が上手く響かず増幅してくれません。
シンガーにとって風邪はリスキーですが、続けていると風邪を引きにくくなった方も多くいらっしゃいますし、花粉のシーズンで上咽頭炎がひどい方は朝晩3ヶ月くらいやっていると改善するそうなので鼻うがいはおすすめです。

ちなみに鼻うがいでメジャーなものですと、ハナノア、サイナス・リンスがあります。
サイナス・リンスの容器は大きいので勢いよく水を出すことができますが、ハナノアのように小さい容器ですと使える水が少ないため上咽頭まで届きません。
なのでその場合は40〜60度くらい上を見上げて鼻うがいをする必要があります。
また、医者にいくと「Bスポット療法」という上咽頭炎に塩化亜鉛を塗るという治療があります。
これはとても痛いらしいですが興味のある方、早く治したい方は試してみるのもいいかもしれませんね。

声優業界ではファミチキ愛用者も!?

あとは冗談みたいな話ですが、「ファミチキを食べると声が出しやすくなる」というのが声優業界では有名だそうです。
これはオペラ歌手が歌う前にオリーブオイルをひとさじ飲むというというのと同じことだと思います。
食べ物や飲み物は気道にある声帯には届きませんが、声の共鳴腔となる声道が油によって潤わされ、良い反響板のような状態になるのではないかと推測できます。
これについては本当かもしれないし、迷信かもしれないですが、試してみて効果があると感じるのであれば取り入れてみるのもいいかもしれませんね。

今回は喉の乾燥対策について内側・外側からできる加湿についてお話ししました。
声を出す時の加湿ももちろんですが、寝室にも加湿器を置いたり必要であればマスクをしたりと寝ている時も乾燥しないように気をつけてください。

解説しているインストラクター

桜田ヒロキ
桜田ヒロキ
セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター

アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。

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