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母音を使ったボイストレーニング方法

こんにちは!VTボイストレーナーの三浦優子です!
前回はVT初のボイストレーナー育成&認定講座【VT-RV】桜田インストラクターによる「ボイストレーニング法〜母音編〜」の前編をレポートしました。
今回は本題である母音についてです!

母音の特性を学習

まずは歌声のトレーニングにおける母音の役割について学びました。
シンガーにとって最適な歌声を見つけるためには、暗すぎず明るすぎず、ふくよかさを保ちつつ明るさのあるニュートラルな歌声を見つけることが大切です。
特にスケール練習では歌ほど声色を気にぜずにバラバラな声を出してしまいがちです。
なので、まずは歌いやすくてリスナーが美しいと認識する歌声を導くことがポイントです。

このような歌声を目指すために、地声が出しづらい声には強母音(あ、え母音など)、地声の抑制が必要な声には弱母音(う、い母音など)、響きの改善に積極的な二重母音などを活用していきます。

楽曲の中での母音をツールとしての活用方法の一つに、困難な箇所を母音を変えて練習するという方法があります。
例えば「ガラクタだった〜」の「だった」を張り上げてしまう場合は、この部分をお母音に変えて「ガラクタどっと〜」として抑制し、その感覚のまま、あ母音に戻していきます。
このように抑制したり、ひっくり返りを防ぐのを助けてくれるのも母音の役割になります。

母音はツールボックスで特性を確認


続いてはそれぞれの母音がどのような性質なのか、チャートを見ながら確認しました。
日本語は「あ」という母音は一種類ですが、英語は「あ」にもいろんな種類があります。
「あいうえお」の5つの母音だけで収めるのではなく、英語で使われているいろんな母音を知っておくことで、ここでは「お」に寄せた「あ」を使うなどの応用を効かせることができるので、歌う上では大切です。

舌の位置についても確認しました。
例えばおしゃべりの場合、う母音では舌の奥を上げるために下顎を上げて口を開けないようにしますが、歌唱では下顎を上げずに舌の奥を上げるように顎と舌の連動を切り分けることも必要です。これにより出力を調整することができます。
また、喉を上げたり下げたりして声道の長さをコントロールすることもできますし、唇を尖らせたりすることで長さをコントロールすることもできます。
このようなコントロールも母音を通して調整することができます。

母音形成に必要な顎の解剖についても解説していただきました。
顎を閉じる時は、咬筋・側頭筋・内側翼突筋が働きます。
口を開ける場合は、外側翼突筋と顎舌骨筋などの舌骨状筋などの舌骨状筋群は働くものの、基本的には閉じる時に働く筋肉の弛緩と自重によって顎は下がるので、口を開けると顎が痛くなる場合(顎関節症を除く)うまく弛緩できていないと考えられます。

各種問題のある発声について

続いては「Problematic Voice(問題のある発声法)」に対しての母音の基本的な考え方について学びました。

Pull Chest→
「地声が強すぎる」と考えた場合、地声を抑制します。
その場合、弱母音を使ったアプローチや裏声、下降スケール等でのサポートが考えられます。
地声が強い場合、甲状披裂筋が強く働いているため引っ張ることが難しくなります。(輪状甲状筋と拮抗関係にあるからです)
なので音階を上がっていくよりもある程度ストレッチできる音域から下がっていった方が簡単に出すことができるのです。
まずは簡単な状態で繰り返し学習させて脳に覚えさせていき、できるようにするという狙いです。

Light Chest→
では「地声が弱すぎる」と考えた場合、地声を強化する必要があります。
その場合は強母音を使ったアプローチや地声、音量を大きくする、上昇スケール等でのサポートが考えられます。

Flip→
「急激に地声から離れる声」として考えた場合、強母音と弱母音を合わせた二重母音でのアプローチが考えらえます。
「Nay」という言葉は強母音である、え母音と、弱母音である、い母音の二重母音となります。
この場合は、え母音ではひっくり返らないように、い母音では怒鳴らないようにというコマンドを送っているとも考えられます。
その他にも、喉頭を上げるなどの緊張を逆手に取った戦略や、子音との合わせ技、「下降スケールで上昇」などでのサポートが考えられます。

桜田インストラクターの経験や感覚ではPull ChestとLight Chestを直すのには母音を主力としたアプローチが多く、Flipは緊張や子音、スケールによってのアプローチが主力であることが多いそうです。

ここまでの思考を基に2つのエクササイズの構成案を見ながらどちらがPull ChestでどちらがLight Chestかを考えていきました。

どちらがPull Chest対策かLight Chest対策か分かりますか?

Pull Chest対策では弱母音から開始し徐々に強母音方向へ移動していきます。
Light Chest対策では強母音から開始し徐々に弱母音方向へ移動していきます。

エクササイズをピックアップするときの注意事項は、身体は効果的な方法であっても、そうでないものでも反復することにより運動パターンを記憶することです。
つまり問題解決にかなった効果的なエクササイズを行えば体はそれを記憶するし、逆に「問題のある状態で発声を繰り返せば下手になる」であったり発声障害になってしまう恐れもあります。
なので、何がこの声にとって効果的な発声で、何が効果的でない発声かを考えて、できるだけ効果的な発声を行えるエクササイズを行う必要があります。

母音以外を使ったトレーニング方法

最後に色々な発声方法について学びました。
ストローエクササイズやハミング、リップバブルなどのSOVTエクササイズはウォーミングアップにもとても良い発声方法と言われています。
Pharyngeal Voice (咽頭的な声)はあえて咽頭を狭くするために喉頭を引き上げます。
これをする事により、音程ごとの声門加圧の変化を小さい状態で声区の切り替えを行うことができます。
これはFlip対策にもおすすめです。
このPharyngeal Voiceをするとき「Nay」という言葉を使うことが多いです。
「Nay」は「N」で舌が前にきて「a」でも「y」でも舌が前にきます。
喉頭は舌骨を通して舌と繋がっているため、舌が前に出ている分、喉頭もあげやすくなるという原理があります。
喉頭を上げる動作を手助けするために「Nay」を使っていると言った方が科学的には正しいように思います。
「Nay」=「声門閉鎖」と勘違いしているトレーナーがいますが、これは間違いです。

またPharyngeal Voiceとは逆に、喉頭の位置をあえて下げるという方法もあります。
これは喉頭が下がることにより声門の内転が緩みやすくなります。これはPull Chest対策にもおすすめです。

以上で母音についての講義は終了!

母音について簡単にまとめると、基本的にはPull Chestに対しては弱母音、Light Chestに対しては強母音からアプローチしていき、そこからPull Chestは強母音の方向へ、Light Chestは弱母音の方向へと調整していくと対策ができます。

次回は、子音についての講義となります。
母音の役割や性質を知った上でどんな子音を使っていけばいいのか、次回も楽しみです!

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解説しているインストラクター

三浦優子
三浦優子
大阪音楽大学短期大学部ミュージカルコース卒業
宝塚音楽学校附属宝塚コドモアテネ卒業
幼少の頃からクラシックバレエを習い、毎年行われる発表会やその他数々の公演、業界最大手の舞浜大手テーマパークのショーやパレードに出演。
ダンスパフォーマンスにおいては特に活躍を遂げ、忙しい日々を送ると同時にボイストレーニングを続けるが、自分の悩みを解決できる先生となかなか出会えず「これで上達できるのか?」と不安を感じ、次第に歌を諦めてしまう。
そんな中、発声を科学的に捉え、的確なトレーニングを行えるVTチームの存在を友人から聞き、VTチームのレッスンを受講。
ハリウッド式ボイストレーニングに感銘を受ける。
現在は自身の「踊りながら歌う難しさ」を克服した経験を活かし
「ダンサーとしてミュージカルの舞台に立ちたい」
「ミュージカルに出演しているが、シンガーの枠に入りたい」
という方々を中心としたサポートに向け、勢力的にトレーニングを行っている。
全米ヨガアライアンスRYT200を取得し、ヨガインストラクターとしても活躍中。
クライアント一人ひとりに合った姿勢矯正を行うことにより、発声の改善、呼吸の改善、ダンスの改善を行い、クライアント様から高い評価を得ている。

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