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ベルティングボイスの作り方を解説します


今回はVTチームのボイストレーナー向けの研修会の一部、「ベルティングボイスの発声法の訓練の仕方」について解説していきます。
ボイストレーナーの視線からなので「トレーニングの処方の仕方」という意味で書いています。
結論から言いますと、基本的にはおすすめしません。
オーディションの直前にボイストレーナーを変える、もしくは初めてレッスンを受けるような事はしない方がいいです。

ベルティング発声とは?

ベルティングボイスとは何でしょうか?
高くて力強い大きな地声と考えていただければいいと思います。
ここで定義しておきたいのが「叫び声」「ベルティング発声」は大きく異なる物と言う事です。
まずは特徴を捉えていきましょう。

Techniqued Belt Voice(技術的なベルト発声)の特徴

・トランペットのようなクオリティである
・力強く聞こえる
・音量変化が可能
・美しい音色
・繰り返し発声が可能
・多くのボイストレーナーが好む声

Yelling voice(叫び声)の特徴

・最も大きな声
・音量の変化を起こせない(大きいのみ)
・美しい音色ではない
・ハイラリンクス
・サスティーン(音を伸ばすこと)は、ほぼ不可能
・怪我しやすい(声帯出血、ポリープ、声帯結節など)
・多くのボイストレーナーが好まない声

BeyonceやEva Cassidy、Luciano Pavarottiの高音を想像していただけると声にトランペットのような鋭い音色を含まれているのがわかるかと思います。
もうひとつの特徴は大きく発声しながら徐々に音量は小さくする事が出来ます。
叫び声では小さくしようとするとひっくり返ってしまいます。

ベルティングは誰ででも出来る?

High Belt(高音域でのベルティング発声)は声にとってExtreme Sport(極端なスポーツ)である事は忘れてはいけません。
そして誰にでも出来ることではないと言う事は最初に書いておくべき事だと思います。
、、、ということは、「私のキャリアはもうこの先ないのか?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、そんなことはありません。
ノンベルター(ベルトを使わない歌手)で成功している人たちはたくさんいます。
その人に合った事をしていき、キャリアを組み上げていくことが重要です。

その反面、ベルティング発声をどれだけ望んでいるのかも習得において重要なファクトになります。
例えば「高い声が欲しい」と切に願うバリトン(男性の低音声種)で勘のいい人は、持ち前の太い地声を犠牲にしてでも高い声を手に入れてしまいます。
繰り返しますが「いかに欲しがっているのか、どれだけ望んでいるのか」が非常に重要なファクトになります。
結局、欲しがるということは「それに向かって試行錯誤する」「一生懸命練習する」という意味になります。
望まないものは基本的には手に入りません。
「自分はこの声は手に入らない」「自分の先生もそのように言った」としても、どれだけ欲して練習するかで手に入れる可能性が出来ます。
と言う事からも「欲しい」と思ったことは諦めずに練習するべきだと考えます。

これも逆説のようになってしまいますが技術、そして遺伝は重要な要素となります。
ベルティングが出来るような大きな声を出せる器質を持って生まれているというのは重要な要素となります。

ベルティング出来る最高音は?

次にベルト音域について解説していきます。
女性の場合はオクターブ・ルールと呼び、裏声で発声練習出来る1オクターブ下が地声でのベルティング音域になる事が多いです。
Coloratura/Legeroと言われる非常に高い女声種は発声練習の音域をG6(ホイッスルボイスで出すような音域)まで練習してBelt音域がG5となります。
Lyric Sopranoの発声練習の音域はE♭6・Belt音域E♭5。
Mezzo Sopranoは発声練習の音域はC6・Belt音域C5。
Alto(女声の低音声種)は発声練習の音域がB5・Belt音域B4となります。

男性の場合はベルティングする5度上ぐらいまでを裏声の練習音域として捉えておくと良いでしょう。
発声練習の音域はC5まで練習できればBelt音域G4というイメージです。

このように楽曲の中で「歌唱で使う音域=練習する音域」と言うマインドセットを捨てる事が重要です。
発声練習する音域は実際にステージで歌う音域よりも遥かに高い音域まで練習するべきです。
現代のブロードウェイ俳優で「テノール」と自称する俳優の多くは地声でE5くらいまで出せるようにしているそうです。

ファルセットを使ったベルティングの練習法?

ではファルセットを使ったベルティングの練習法をご紹介します。
Falsetto Cry(Ee vowel)から歌い出し、(動画を参照してくださいね)
Do So Mi Do So Mi Doの音階を使っていきます。
Falsetto Cryと言う技術は、低音部の地声のように声帯の下部を過度に圧着させないようにするのに非常に重要なツールになります。

例としては、C5をファルセットで引っ掛けてからC4・G4・E4・C5・G4・E4・C4となります。
用途に応じてトップになるC5を伸ばす時間を長くしたり音を振る練習をします。
基本的にOpen Vowel(日本語の場合、あ母音とえ母音)を使うと良いと思います。
DoからSoにアプローチする時(音が上がる時)にプッシュするような歌い方ではなく緩やかに圧を加えることがポイントです。
そしてボリュームを過度に上げないように注意してください。
叩きつけたような発声にしてしまうとピッチが上がりきらないことがよくあるのでこれも注意してみてください。

いかがでしたか?

ベルティング発声と言うのは色々な技術の集合体です。
大きく出すと怒鳴り声になりやすい。
高い声になるとひっくり返りやすい。
等と言ったいわば本能的に起こってしまう事を拒否して技術で成立させる必要があります。

「出来ない」には必ず理由がありますので、1つ1つ紐解いて練習していく事で解決に繋がると思います。

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