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今度は地声からミックスボイスを練習してみよう!

こんにちは、VT by VT Artist Developmentボイストレーナーの金子恭平です!

さて!本日もミックスボイス習得に向けて練習していきましょう!

前回までの記事
スライドダウン、オクターヴ・ダウンといわゆる「下降系エクササイズ」を紹介してきました。
今回はさらに1歩進めて上昇系エクササイズ「オクターヴ・アップ」に挑戦しましょう!

実は奥が深い。オクターブ・アップ(ド-ミ-ソ-ド-ソ-ミ-ド音階)

このスケールは今や世界的に有名なので、ハリウッド式ボイストレーニング以外のスクールでも取り入れていることが多いようです。
しかし、この音の並びの狙いを正しく理解して使用している先生はまだまだ少ないように思います。
狙いが分かれば気を付けるべき点も見えてくるので、この記事ではオクターヴ・アップの特性を一緒に確認していきましょうね。

オクターヴ・アップのエクササイズとしての特性は?

多くの人は、低音から高音へ駆け上っていくときに、地声と裏声の筋バランスを調整できず破綻してしまいます。
高音も100%の地声で張り上げようとして音が届かなくなったり、
途中で限界を感じて100%の地声から100%の裏声に急にひっくり返してしまったり、
・・・といった経験は皆さんにもあるのではないでしょうか。

音を上昇もしくは下降する際に、「1つ前の音を出したときの筋バランスを次の音に持ち越してしまいやすい」という性質からこうしたミスが起こります。
そしてこの傾向は、音と音の間隔が近いほど強く表れます。

オクターヴ・アップでは西洋音階でいうところの1度の音から始まり、
3度、5度、8度と昇って、また5度、3度、1度と降りていきます。
上昇と下降の両方を行うので、ぐっと実践的になりますね!
当然、これまでのような下降だけの練習よりは難易度も上がります。

シンガーの多くは3度幅か4度幅が歌いやすい

しかし、それぞれの音が近すぎず遠すぎずの絶妙なポイント(隣接する音の間隔が3度幅もしくは4度幅)に設定されているのがこのスケールの特徴です。

1つ前の音を出したときの筋バランスを引きずらず(叫び上げ状態)、
かつ一気に手放しもせず(ひっくり返り状態)、
段階的に変化させていく練習に最適なのです。

オクターヴ・アップで上手に発声できない人が、曲のメロディならできる、ということはありません。
実際の歌へのステップとして、まずはこの音階をクリアしましょう!

※生徒さんのボイスタイプや習熟レベルによっては、この音の幅でも狭すぎたり、逆に広すぎるということがあります。
それぞれの声の傾向に合わせてボイストレーナーは「母音と子音の組み合わせを変える」「音階を変える」もしくは「その両方」で対応します。
生徒さん一人一人に最適なエクササイズを処方し、最短の上達に導けるのが、ボイストレーニングの強みですね(^^)

練習時の注意する点は?

これまで2本の動画で、裏声から地声を繋いでスムーズに下降する練習をしてきました。
オクターヴ・アップではその逆から始めます。
地声から裏声に向かって、少しずつ声を軽くしていきましょう。
昇りきったら、今度はまた裏声から地声まで声を重くしながら丁寧に降りてきてください。
このとき「地声と裏声の継ぎ目を隠す」意識をちゃんと持つかどうかで、エクササイズの効果が大きく違ってきますよ!

継ぎ目を隠す練習を根気強く続けていくうちに、音ごとの適切な筋バランスと適切な声帯の形状を脳が覚えて、ゆくゆくは体感的にも継ぎ目が消えていきます。(”実際の歌のなかで使える”状態に至るには、ここまで訓練する必要があります)

形だけ真似て闇雲に音階をなぞるだけでは、こうした能力は育ちません。
本当に本当に気を付けていただきたいところです。

以上、オクターヴ・アップの紹介でした。
VTクライアントの方もそうでない方も、しっかりと目的を意識しつつ練習してみてください!

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解説しているインストラクター

金子 恭平
金子 恭平
小学生の頃より地元、仙台のダンススクールに通い、ライブやコンテスト等に参加。当時、日本最大のダンスコンテスト「DANCE DELIGHT」では、東北大会で数十組の参加チームの中を勝ち抜き優勝。
2000年、第13回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」にて、史上最年少で審査員特別賞を受賞(当時13歳)。
ダンスヴォーカルユニットFLAMEのメンバーとして2001年にライジングプロダクションからデビュー。メインボーカルとして活動。
FLAMEから離れた後、様々な経験を経て、現在ではギターとピアノの弾き語りを中心に全国で活動中。他アーティストへの楽曲提供や振り付け等も行っている。
2018年、自身のデビュー経験や、ボイストレーニングの経験を提供すべくVTチームに合流。

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