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年齢や筋力は関係ない?驚異の92歳に学ぶ「歌と加齢」の真実

みなさんこんにちは、VT Artist Developmentボイストレーナー小久保よしあきです!

まずはこちらの動画をご覧ください。
92歳のおじいちゃんがNessun Dorma歌います!

すげーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

歌声フォルマントばりばり出てますね!爆音!

しかし、

音をミュートして映像だけ見ると、
こんな声出てるなんて絶対わからないくらい、超リラックス。

筋力的に明らかに衰えてきているのに、
こんな発声ができるというね。

発声練習に間違った認識を持っている人に是非見ていただきたい(笑)

爆音のエネルギーの正体はなに?!

でっかい音がバリバリ出てますが、
この爆音エネルギーは筋力的な生み出され方ではなく

喉頭蓋の狭めを活かしたものです。
(歌声フォルマント、シンガーズフォルマント)

決して喉を締めたり怒鳴ったりはしていません

また声帯自体がムキムキなわけでもないでしょう。

なぜなら、

声帯は加齢と共に脆弱となり、
男性特有の力強い声は、若い頃と比べて
根本的に出なくなっていくからです。

このおじいちゃんも例外ではありません。

こちらのインタビュー動画をどうぞ。

もはやギャップに笑えます。

とはいえ、

声帯は爪程度の大きさで、
人が発声で作り出すエネルギーは、
人が全身で作り出すエネルギーの1%程度。

そう聞くと、まあなにか奇跡でも起きれば
92歳でも可能なのかなと思いますが、
それでも若い頃に比べて衰えた発声器官を見事に
コントロールしているのですから、信じられません。

姿勢が変わらないのも凄いですね。
おじいちゃんだから動けないだけかも知れないけど

音声の生成に必要な箇所
ほとんどが声道内にあり
本人の見た目の変化はむしろ
発声の妨げとなっていることが多いため、
発声器官の運動に絞られていることがわかります。

息吸うときにお腹がちょっと膨らむくらいですね。

横隔膜で必要なだけ肺に
空気入れているんでしょう(腹式呼吸)。

胸郭がまったく上がらない
(胸式呼吸になっていない)ことから、

大胸筋、小胸筋、僧帽筋、三角筋、
そして胸鎖乳突筋に余計な力が入っていないことが想像できます。

Gregもワークショップでいってましたが、
胸鎖乳突筋に力が入ると喉が締まって苦しい声になってしまいます。

そしてこればっかりは技術だけではないと思うのが、、、
92歳で見事な共鳴腔コントロールの実現。

発声器官の石灰化

実は、人の発声器官は、
歳を重ねるごとに少しずつ「石灰化」していきます。

20歳〜60歳くらいまでの発声は、
むしろ石灰化がいい感じの発声をサポートすることにも繋がります。

(最も健康的な発声のピークは30〜40歳代くらい)。

しかし60歳を越えると、喉の石灰化が度を超えてきて、
歌唱力と関係なく発声運動をジャマし出すはずなのです

特に歌声フォルマント作るのに重要な
喉頭蓋の運動は影響を受けると思うので
(お年寄りの誤嚥”ごえん”ってあるでしょ)、

このじいちゃん、まじですごいなあ、って感じです。

最高の状態で固まったってことなのかな(笑)

もちろん発声は「バランス運動」なので、
歳を重ねる前に訓練した方が、成長早いです。

スポーツと一緒ですね。

でも遅いということはありません。
このおじいちゃんを目指して今!ボイトレはじめましょう!

※尚、僕らのトレーニング=こういう音色を作るトレーニングではありませんので、あしからず(笑)

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