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ホイッスルボイスは2通りの出し方がある?

こんにちは!VT Artist Development桜田ヒロキです!

先日のVocology in Practiceチームのコンファレンスで、
ユタ大学の音声学者Ingo Titze博士の話で興味深い話が出ましたのでシェアしたいと思います。

ホイッスルボイス(Whistle Tone)についてのお話です

「ホイッスルボイスって名前は聞いた事はあるけど、実際には聞いた事ない!」
と言う方もいると思いますので、まずはこちらの動画を見てみてください。

動画で見た通り、まるで笛(ホイッスル)のような声なので、
そのように名付けられたようです。
場合によってはピアノの最高音(C8)を超える事もあり、
超人的なボーカル技術の一つと言えると思います。

ただし、このレンジ(音域)になると言葉(母音)
を発する事は出来ません。
声帯振動で作られる音は倍音を含ませる事が出来ず、
基音、基本周波数(つまり発声しているピッチ)のみを使った発声になるからです。

母音を作るためには最低でも

(喉で作られた)F1と(口腔内で作られた)F2

を作る必要があるためです。
ホイッスルボイスはほぼ純音のみでの発声(H1)になるため、2つ以上のフォルマントが存在しないのです。

この辺りは余談ですが、興味のある方は、
桜田、小久保、安倉あたりがこの辺は強いと思いますので
レッスンの休憩時にでも聞いて下さい。(笑)

ホイッスルボイスは2通りの出し方がある?

Ingo Titze博士のリサーチでは、このホイッスルボイスの出し方が
2つあると言う事がわかっているそうです。

Turbulence Type(気流型発声)
こちらの発声の原理は口笛を同じ方法で、
「声帯その物は振動していない」
「声帯の間を通る息の気流音によって作られる」
と言う特徴があります。

Phonation Type(構音型発声)
これは通常の発声と同じ原理で
「声帯を極限までストレッチする。」
事によって発音します。

音的な違い・特徴は?

ここからは桜田の憶測になりますが、

Phonation Type(構音型発声)のホイッスルボイスの場合
通常の発声と変わらないため
「高くなればなる程、息を少しずつ減らす」
と言う通常の理論が使えそうです。
(歌唱時に高い音域で「息を減らす」は必ずしも正しくはないのですが・・・。)

そのため、通常の話し声の音域〜歌唱音域から繋げられる事は
それほど難しくないと考えられます。
先ほどの映像を観てみるとほとんどの人が
こちらに当てはまるのではないかと思います。

Turbulence Type(気流型発声のホイッスルボイスの場合)
声帯そのものを硬直させる必要があり、
多くの場合で息をたくさん使う必要があると考えられます。
そのため、息混じりになる事も多いようです。

また、このタイプの発声は通常の歌唱音域から繋げる事は
不可能・もしくは困難と考えられます。
通常の構音状態から切り替える必要があるからです。

「ホイッスルボイスは出るけど、途中5度〜1オクターブ音が消失する」
と言うタイプは、Turbulence Type(気流型発声)の
ホイッスルボイスである可能性が高いと思われます。

こんな風に科学者が言った事を考えてよく聴いて、
発声の方法を研究する。
声オタクの僕からすると滅茶苦茶ワクワクします。^^

それではまた♪

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解説しているインストラクター

桜田ヒロキ
桜田ヒロキ
セス・リッグス Speech Level Singing公認インストラクター(2008年1月〜2013年12月)
VocalizeU認定インストラクター

アメリカ、韓国など国内外を問わず活躍中のボイストレーナー。
アーティスト、俳優、プロアマ問わず年間2000レッスン以上を行うボイストレーナー。

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